望ましい食生活
お腹がすいたから食べる。美味しそうだから食べる。食欲がないから食べない。嫌いだから食べない。
このような気ままな「食」は感心しません。
現在、「食欲がないから」、「時間がないから」という理由で朝食を食べないで学校に行く子どもたちが増えています。バランスのよい朝食を食べている子どもは一般に心と体が安定してイライラしない、学校が楽しい、授業に集中できる、各学科の平均点も高いなどが指摘されています。また、家族が一人ずつ食事をする、「孤食」が人間性の発育に影響するとも言われています。
成人男性は正しい食生活への関心が薄く、肥満者が多い。肥満は糖尿病を誘発するおそれがあります。糖尿病であると「強く疑われる人」、「可能性が否定できない人」を合わせると、その数は1,620万人(全人口の13パーセント)に達しています。
一方、女性は「きれいでありたいから」という願望で20歳代になるとヤセの傾向が認められ、カルシウム摂取量が少なくなっています。後年、骨粗しょう症の発症が心配されます。
正しい食生活は健やかな心身を育成するために極めて重要です。
現在、人々は日々忙しい生活に追われ、また、核家族化に伴って家庭内における「食」の教育力も低下しており、国民個々の自主的な努力だけでは健全な食生活の実現が望めないとの考えから、正しい「食」に関する知識の普及;学校の教育活動を通した指導などを掲げた「食生活指針の推進について」が平成12年3月に閣議決定されました。さらに、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てる「食育」を推進する目的で、食育基本法も平成17年6月に公布されました。
現在、地方公共団体関係者や食育推進ボランテイアなどが「ニッポン食育フェア」、「地域シンポジウム」などのイベントを各地で開催し、「食育」の啓蒙活動を行っています。
しかし、「食」は本来私たち一人一人の問題です。家族団らんの食卓は自ずと「食育」に通じるのではないでしょうか。円満な家庭を築くためにも、子どもたちの健やかな心身を育成するためにも、週に少なくとも2日間程度、家族が食事を一緒に楽しめるように努力する必要があると思います。
近年、忘れがちな家族で囲む食卓は親子のコミュニケーションの場、大げさに表現すると日本人の精神文化の伝承の場となります。同時に、母親の手作りでバランスのとれた味を楽しみながら、精神的に安定した子どもたちを育成し、すぐ「キレル」若者も減らすことができるだろうと思います。
家族団らんの食卓でふれあいを深めながら、豊富な食材で豊かな食味の感覚を養い、栄養バランスの取れた食生活が望まれます。
参考:1.食料と安全 第9巻3号;第10巻1号&7号
2.鈴木啓介著「安全食品 農薬を知ろう!」(文芸社)p.240 など
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コメント
子供の頃、食べたくなくても三度の食事は欠かさず食べ、好き嫌いは許されませんでした。特に、我が家では母が家庭料理教室を主宰していたため、和風・洋風・中華風のおかずを旬の安い素材を使って美味しく仕上げることが当たり前になっていました。
現代の食シーンを思い浮かべると、銘々が好きなものを勝手に食べているといった印象が強く、「食育」もなにも全く関係ないと言わんばかりの家庭が多いような気がします。
食育基本法序文ならびに二十二条~二十四条にもあるように、食育は若い親たちから行わなければならないような気がしています。正しい食事、楽しい食事を教えなければならない変な時代になってしまいました。
貴殿の記事、非常に参考になります。
ありがとうございます。
投稿: クルクルしんちゃん | 2005/10/10 21:08